4. 「1ヵ所の突破口」で日本は変わる

(1) 地方の行財政改革が生き残る絶対条件



あるマスコミに自立研の目標を語った時「それはムリだ、国が動くもので はない」と一笑にふされましたが、そんなことはありません。
2010年には国債残高が1000兆円を超えるのではないかと危惧され、すべての行政分野に行き詰まっている今、我が国は、前例を排除し、発想を転換し、 国も地方も「生き残りをかけた行政システムの大改革」が生き残る絶対条件となっています。
「地域力が国の基盤」であり、そのキーワードは地域が持っています。
ささいな行き違いで、あっという間にベルリンの壁が崩壊しましたが、それは世の中の潮流が押し寄せていたという背景がありました。
「小さな針の穴」さえ通すことができると怒涛のような改革に突き進むことでしょう。
改革の成功は、「たった1ヶ所の突破口」であることを確信しています。

(2) 地方の自立と行政構造改革は、国と都道府県と 市町村の役割分担の明確化で解決する



官から民へ、国から地方へ、国も地方も大合唱が続いていますが市町村に 主権の実感はありません。
地方の自立に必要な「お金」は、税源が片寄っていますので、地方交付税による財政調整が必要ですが、その基準が明確ではありません。
いままでの議論は「国と地方」となっていますが、限られた地域を担当する市町村と広域的な機能を持つ都道府県は、大きく異なっています。
役割分担は、国対地方ではなく「国と都道府県と市町村の役割分担」を明確にすることがどうしても必要です。
国と地域特性をもつ、いくつかの都道府県と市町村の実務者が一同に会して、現在の仕事を基本に「市町村に出来ることは市町村」に、「都道府県に出来ること は都道府県」に分け、残りの業務は国に帰属することで解決します。
現在市町村が行っている業務を都道府県や国に移行することもあるでしょう。
あるいはまったく逆の場合もあるでしょう。
業務分担が明確になりますと、補助金などの整理はもとより、道州制や特別町村制、あるいは現行法でも規定されている町村総会の議論にまで進むことが出来ま す。
自立研はこれらの「最大の課題」について、10月中に検討を開始する予定です。